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林五について

林五についてHistory

和装がまだ圧倒的多数を占める明治時代の半ば。当時、鞄などの洋品雑貨はほんの一握りのハイカラな有産階級のための嗜好品に過ぎず、しかもその大半は舶来品でした。1890年(明治23年)、林大策は大阪市東区(現在の中央区)久太郎町に洋品雑貨の販売会社として「林大策商店」を創業しました。武家の末裔でありながら、神戸の洋物商で奉公した経験を持つ大策は、来るべき急速な洋風化を予見し、鞄やトランクなどを中心とした品揃えで日本人の生活様式の変化を支えたのでした。その後、綿帆布など素材の製造も手掛けはじめ、原材料の調達から製品の製造、販売まで事業を拡大、多数のグループ会社を擁するに至ります。

1929年(昭和4年) 「株式会社 林五商店」に改組、大策の実弟五作が事業を受け継ぎます。同年起こったウォール街の株式大暴落に端を発した世界恐慌の波は日本経済にも及びますが、その影響を最小限に抑えました。第二次大戦後、企業再建整備法に基づき林五グループは解体され、1949年(昭和24年)新たに設立された「株式会社 林五」が「株式会社 林五商店」の営業部門を継承しました。復興の槌音と経済成長の奔流の中、ビジネスバッグの需要が急増。皮革製品が身近になる一方、大量生産による簡素化・効率化が進むことになりましたが、伝統的な鞄づくりを体現した本格的な革鞄も細々ながら作り続け、ラインナップに加えることを忘れることはありませんでした。また、業界に先駆け海外に製品を輸出するための工場を台湾に設立するなど、再興のなかでいち早く世界に目を向けていました。台湾工場は1976年に約8年間の歴史に幕を下ろしその役割を終えましたが、グローバルな視野はその後海外ブランドの輸入・販売という新しいビジネスモデルの構築に大いに影響を与えることになります。

2018年、約40年にわたり協業してきたドイツ RIMOWA社とのパートナーシップを解消。2020年に創業130周年を迎えるにあたり、時代の変化を読みまったく新しい道を積極的に進む挑戦者であった創業当時のフロンティアスピリットにあらためて触れ、これまで注力してきたものづくりをさらに深化させ、次の100年、130年を拓くことを目指してまいります。

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